<マ・シェリ八戸 No.3 2009年10月23日発行 より>
新米ママの育児徒然草 第二段「こんなこと、書いてないよ~」
妊娠中、頼りにしていた妊娠・出産のマニュアル本。何度も読み返しては、来るべき「その日」を楽しみにしていました。
「失礼しま~す。赤ちゃん入りますよ~。」
出産から2日後、いよいよ赤ちゃんと同室に。待ち焦がれていた赤ちゃんとの時間です。
しかし!いざ一緒の部屋となると、何をしたらいいものやら。ゆっくり顔を見ることも忘れ、暑い?寒い?とエアコンをつけたり消したり。そうこうしているうちに、赤ちゃんは顔を真っ赤にしてか弱い声で泣き出しました。
何なに?おっぱいはさっきあげたし、おむつもまだぬれてないよ。赤ちゃんの泣き声はどんどん大きくなるばかり。どうしたらいいかわからず、たまらずナースコール!
部屋に来てから30分も経っていなかったと思います。情けない母親でごめんよ。かけつけてくれた看護師さんは、優しく赤ちゃんを抱きながら話しかけました。
「部屋が変わったから不安になったのかな?君の部屋はあっち(新生児室)じゃないんだよ。早く慣れなきゃね。」
すると、「は~い」と返事をするかのようにぴたっと泣き止んだわが子。「ママと同室になったら赤ちゃんは泣き出します」なんて、もちろんマニュアル本には書いていませんでした。
新米ママにとって、楽しいばかりではない初めての育児は、こうしてスタートしたのでした。
(鈴木あゆみ・八戸レッズ女子アイスホッケークラブ)
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出産前、私は「子ども」・「赤ちゃん」が苦手でした。どう接したら良いのかわかりませんでした。
そんな自分が赤ちゃんの世話などできるのだろうか?いないいないばあとかできるんだろうか?と思っていたというのが正直なところです。
女性ならば、「子ども大好き!」「赤ちゃんかわいい!」と思うのが「普通」「一般的」かもしれません。でも、どうしても心から思えない。かわいさがわからない。だから、マニュアル本を頼りにするしかなかったんです。
そんな自分も、今では母親7年目。よくここまでやってきたなと思います。
赤ちゃんと同室になったときは、ただただ、ただただ、かわいいな~と思って見つめていい時間です。今なら、泣いたらすぐ抱っこして(泣かなくても抱っこして)いると思いますが、このときは、触ることすら怖かったです。
これから徐々に赤ちゃんの、我が子のかわいさを感じていくことになります。
マニュアルなんて、あってないようなもの、と思うのは、まだまだずっと先のことです。
~つづく~
掲載時の写真
(八戸版は2011年3月に震災の影響で中止)