20歳のあなたへ~20年後の自分より~

スポンサーリンク

20歳の自分へ

成人おめでとう。

といっても、20歳のあなたは成人式に出ることはなく、

1ヶ月後に迫った長野五輪のことで頭がいっぱいだったね。

20年後の今でも、白いふわふわをつけた振袖姿の女の子を見ると、

「いいなあ、私も着たかったなあ」なんて思ってるなんて、

あなたは想像もしないだろうけど。

20年経った今だから笑って言えるけど、

長野五輪のあとの人生は結構つらい

当時そんな天狗になってるつもりはなかったけれど、

やっぱりあれは「調子に乗ってた」のかもしれないね。

「ヤングジャンプ」や「フラッシュ」にあなたが取り上げられたくらいじゃ、

女子アイスホッケーの人気は出ない。

観客も増えない。

「また五輪に出たい」なんて、口先だけだ。

いや、でも、あなたは頑張ったつもりだよね。

トレーニングも頑張ったつもりだよね。

あの頃は、あれで精一杯だったよね。

でも、本当は、しなきゃいけないこと、たくさんたくさんあったんだよ。

それに気付くのはもっともっとあとのことなんだ。

20歳のときや、20代の頃の恋はまったくもって成就しない。

成就しても、すぐ終わる。

今だから言うよ?「あゆみってほんとバカだね」

それは付き合ってると言えるのか?って思うよ、今ならね。

でも、ちょっとわかるんだ。

あの頃のあなたは、心のどこかで、

「人はいつ死ぬかわからない」って思ってたし、

「いつ死んでもいいように」って思って生きてた。

実際、死にたい、死のうかって思ったことも何度もあったよね。

その生き急ぐような気持ちが果たしてどこから来ていたのか、

今もわからないけれどね。

この同じ時代に、

この同じ日本で、

この同じ地域で、

人と人が出会って、

お互いが好意を持つなんて奇跡のようなことと思ってて、

自分の気持ちにあまりに正直すぎたこともあったね。

人を傷つけたこともあったし、

後悔もたくさんあるね。

「人生最大の後悔」って何年経っても言ってるから気をつけたほうがいい

それでも、

そんなあなたにも、「ありがとう」って言ってくれる人はいる。

周りに何を言われてもいい。

20歳、そしてその後数年間のことは、それはそれでいい。

あとから、

「あの頃、おまえのおかげでオレらは救われたんだ」って、

いきなり夜中に電話で言われるんだ。

信じられないでしょ

それであなたは救われる。これで良かったんだって思えるから、

結果オーライってことだよね。

今のわたしが20歳のあなたに言うならば、

「もっと勉強しろ~。大学の勉強も、社会勉強も!」かな。

あの頃、アイスホッケー(と恋)ばかりしていて教員課程を諦めたけれど、

30歳過ぎて、それも出産してから玉川大学(通信制)に入り直して教員免許を取ることになる。

これはこれでとってもいい経験なのだけれど、

大学時代に頑張っておけば良かったなとほんとに思ったよ。

あとね、世の中にはちゃんとした「セミナー」がある。

当時はオウム真理教の影響もあってか、「セミナー」っていうと宗教的なものや

怪しいものというイメージがあったけれど(今もそういうことしてる人はいるけれど)、

そんなことはない。

お金のこと、生き方、考え方・・・いろんなことを学べる。

もっと早く知っておきたかったな、ということがたくさんたくさんある。

就職活動もろくにしなかったあなた。

本当に、世の中を知らないまま、突っ走ってきたよね。

世の中は大きく変わる。

匿名が基本だったインターネットは実名での「Facebook」なんていうのが登場する。

ポケベルはなくなるよ。

もう公衆電話で早押しすることもない。

PHSが携帯になり、カラーになったと思ったら、スマートフォンだ。

もっともっと進化する。

あっという間にね。

音楽が配信されるようになって、CDは売れなくなって、たくさん録音したMDなんて

もうどこにいったかさえわからない。

20代前半、あなたは歩けなくなる。

車いす生活を経験して、あなたは「自分の足で立つ」ことがどれだけ大変で、

どれだけありがたいことかを実感する。

原因不明の病になるけれど、ちゃんと治るから安心して。

20代後半もまあ、いろいろあるよ笑。

ほんと、いろいろ。たくさん泣くし、初めて他人を平手打ちするんだ

あれは痛かったなあ。自分の手がね。

それを乗り越えると、ちょっと良くなるかもね。

良くなっても、またいろいろある。

生きているからいろいろあるのか、

いろいろあるからこそ生きているのか、

いったいどっちなんだろう。

どうして今なんだろうっていうこともたっくさんある。

笑っちゃうよ、ほんと。

神様はどこまで意地悪なの?って思うこともあるけれど、

神様がちゃんと守ってくれてる!と思うことも多々あるからなんとも言えない。

要は自分次第なんだろうね、結局。

家族のことでいろいろあるけど、まあ、大丈夫。

とりあえずみんな生きてる。

アイスホッケーはまだまだ続けてる。

そうそう、あなたはそのうち代表落ちを経験する。

でも、やめないんだな、これが。

「35歳でママさん選手」という新たな目標に向かっていくんだ。

「日本代表だけがアイスホッケーじゃないですよ」

「女子アイスホッケー界の三浦カズになってよ」

っていう言葉を胸にね。

20歳のあなたがしているトレーニングが今のわたしを作ってくれてる。

それだけは感謝してるよ、ありがとう。

よく頑張ったね。ほんと。

20歳のあなたのことも好きだけど、

今の自分も、まあまあ好きかな。いや、最近はかなり、かも

そう思える20年をありがとう。

成人式にも、大学の卒業式にもアイスホッケーの遠征やら何やらで出席できなかったから、

20歳になったとか大学卒業したとかっていう自覚なく今まで来たでしょ?

それはあなたの特権らしいよ。

最近占い師の人から言われたよ。

いつまでも、そのままでいいんだって。

気持ちは20代のまんまで、

この先の人生も生きていっていいんだって。

笑って、笑って、ハッピーオーラを振りまくこと。

それがこれからのあなたのやることらしい

もっとこうしておけば良かったな、と思うことは多々あれど、

ま、いっか!

20年無事生きて来れたこと、

40年無事生きて来れたことに感謝。

これからもよろしくね。

* * *

20歳の成人式を迎えた皆様、ご家族様、

本当におめでとうございます。

皆様の将来が光り輝くものとなりますように。

広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする