2017-18全日本女子アイスホッケー選手権(B)大会結果~変えるなら今でしょ!?の巻~

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世間やメディアはメダルラッシュに沸く平昌五輪一色だった2018年2月23日(金)~25日(日)までの3日間、愛知県名古屋市で全日本女子アイスホッケー選手権大会(B)が開催されました。

平昌五輪で注目された女子アイスホッケー日本代表「スマイルジャパン」は予選リーグでの五輪初勝利に続き、スウェーデンを破って5・6位決定戦進出。スイスに敗れ6位で終わりましたが、ソチでの全敗を糧として世界と戦えることを証明してくれました。

さて、そんな中行われた全日本選手権(B)。私自身も「レディースラビッツ」(宮城・仙台)の選手として参加しました。自分の結果も踏まえつつ、全体を振り返ってみたいと思います。

優勝は帯広レディース!1年でAに返り咲き!!

まずは結果から見ていきましょう。

(クリックで拡大)

連盟のページがこちら

https://www.jihf.or.jp/game/detail.php?id=333

見事優勝したのは前年度Aから降格した帯広レディース。
「Bに落ちて1年で上がれないと苦しむ」という流れを断ち切り、しっかり1年で昇格を果たしました。

日本代表に選手を送り出すだけあって、参加したどのチームよりもスピード、パスやシュートの速さ、個人技、組織力すべてで上回っていました。初戦から23対1、30対1、9対1とすべて圧勝と言える内容で1回戦から組み合わせに恵まれたという見方もありますが、決勝では苦しみながらもしっかり勝ちきれる強さは「さすが」の一言です。

優勝おめでとうございます!Aに行っても頑張ってください!!

準優勝の札幌インフィニティーズはAに行っても十分戦える。

準優勝は札幌インフィニティーズ。Bに降格してから、4位、3位と一つずつ順位を上げてきて、今年こそはとチーム作りをしてきましたが、残念ながらまた一つだけ順位を上げて2位という結果に終わりました。

初戦は私が所属するレディースラビッツ(宮城)。「初戦突破」を目標に1年間取り組んできましたが、まだまだ甘いということを強く感じました。得点のチャンスもありましたし、「チーム力の成長を感じた」と保護者の方からは言っていただけたので、またこれから再スタートです!

2回戦はハセガワウィッチーズ(神奈川)。西武プリンセスラビッツあがりの選手(元コクドレディーズ含む)もいるチームでもあるのでなかなかいい試合でした。結果的に7-1とインフィニの実力が上でしたが、ハセガワ唯一の得点は観客が一番盛り上がったかもですね。ブルーライン付近からノーマークとなるドンピシャのラストパスを受けたFWがきれいにGKをかわしてのゴール。パスをしたのは私と同期でもある長谷川選手。ベテランの味炸裂!

決勝戦では攻められる時間帯が続きながら少ないチャンスをしっかり決めて一時は2-1とリードしたインフィニ。個人的には「もうAに上がってください!上げてください!」と言いたい。スマイルリーグでもAのチームと対等に戦っているし、Aにいる八戸レッズや大東開発ネクサスには実際勝ってるし、もう実力は十分ついています。
ほんと、決勝進出した2チームはA昇格!にしたいくらいでした。

今の規定は規定だから仕方ありませんが、少人数ながら勝ち上がるその強さ。1年間の努力は嘘をつかないなあと思って見ていました。準優勝、おめでとうございます!

ベスト6&MVPはこの選手たち!

全日本女子アイスホッケー選手権(B)にもベストプレイヤー賞があります。
連盟公式ページには載っていませんでしたが、情報集めましたのでこちらで発表!!
ででんっ!!

<ベスト6>

GK 吉田眞衣(帯広レディース)

DF 篠田安(帯広レディース)
DF 武田莉奈(札幌インフィニティーズ)

FW  伊藤優希(帯広レディース)
FW  石田彩女(帯広レディース)
FW  杉江未菜(帯広レディース)

<MVP>
DF 志賀紅音(帯広レディース)

MVPは平昌五輪日本代表候補だった志賀紅音選手。まだまだ若い!!次もその次も狙えます。次世代スマイルジャパンの主力となる選手でしょう。
唯一札幌インフィニティーズから選ばれた武田選手も、元代表の力は存分に発揮していました。広い視野で、パス1本で試合の流れを変えるプレーは観客(わたし含む)から「おお~っ」という声が聞こえていましたね。
受賞した選手の皆さん、おめでとうございます!!

3位はFIORE TORSPO!地元開催で価値ある3位!

地元名古屋から出場した「FIORE TORSPO」(フィオーレトルスポ、以下トルスポ)が見事3位を勝ち取りました。トルスポは元アジアリーガーでもある伊藤雅俊さん(東洋大-日本製紙クレインズ)が監督をしている女子チームです。

トルスポの山場は2回戦のクイーンベアーズ戦でした。前評判では優勝候補の一角とされていたクイーンベアーズでしたが、反則が響いたのか、実力を出し切れないまま試合終了。速報を見て、「え?クイーンベアーズどうした?」と思った方も多いと思います。クイーンには私の後輩もいますから正直複雑ですが、これもまた経験。次につなげてほしいです!

伊藤監督とも大学時代以来約20年ぶり(!?)にお話できました。チーム立ち上げ当初から女子に関わってくれて嬉しい半面、「女子チームを続けるのは大変」ということも知っているのでどうなるかなあ~と遠回しに結果を見たり情報を聞いたりしていましたが、観客席には地元の応援団の方がずらり。あの光景を作り出せたのは素晴らしいと思いました。今後の活躍に期待しましょう。

4位は軽井沢フェアリーズ!テラスハウス出演の「つーちゃん」効果で観客増!

連盟の結果ページには3位までしか載っていませんが、4位の軽井沢フェアリーズもぜひ紹介させてください。
なぜかって、キャプテンを務める「佐藤つば冴」選手は今なんとあの「テラスハウス」(軽井沢編)に出演中!「つーちゃん」の愛称で親しまれ、10代20代の選手たちにとって(いや、30代以上もだけど)注目の的でもありました。

テラスハウスメンバーが応援に駆けつけているという情報もあり、1回戦ながらBの試合としては異例の観客100人超え!
(え?100人超えで異例?と思ってしまいますが、これが現実です)
スマイルジャパンとはまた違った形でアイスホッケーの普及に貢献してくれていると言っていいと思います。

トーナメントで行われる全日本選手権(B)。フェアリーズの「山」は今回一番厳しい組み合わせだったかもしれません。初戦からどちらが勝つかわからない山でした(テレビ的にはオイシかったかもですが・・・)。この山で初戦敗退した真駒内レディース、西宮アイスホッケークラブ、どちらも初戦突破してもおかしくないチームです。組み合わせが違っていたら、全く違う結果になっていたでしょう。

2回戦では前年度2位のVORTEX SAPPOROを3-0で退け、準決勝へ。札幌インフィニティーズとも互角の戦いをしました。「つーちゃん」をはじめもともといい選手が育っているものの、なかなかBの枠から抜け出せず、主力選手が北海道や他地域へアイスホッケー留学(進学)してしまうというチームです。一度は決勝まで進んだこともあるチームですので、今後も注目ですよ!

変えていくなら「今でしょ」!?

全日本選手権(B)については以前のブログにも書きました。

大会の結果を踏まえ、実際またこの場に戻ってきて思うことはやはり、

そろそろ見直ししてください!
IIHFの規定にのっとって、リーグ戦メインにしてくださいっ!!

ということです。

*IIHFの規定*
最低4チーム以上が参加する大会を行い、年間12~15試合を確保するよう推奨している。要はトーナメントよりリーグ戦重視で試合数を確保してねということ。トーナメントの場合でも敗者戦を公式に設けるなどして試合を多くするというのが基本ですよということ。日本女子アイスホッケーリーグ(スマイルリーグ)ができた要因の一つがこの規定を守るため。規定が守られていない場合、世界選手権や五輪(予選含む)その他の国際大会に出られなくなる可能性がある。

(B)がどうなったら最高だろう?平昌五輪が終わり、次の北京五輪や次の次に向けて再始動する今こそが、ちょうどいい見直し・リセットの時期なのではないかなと個人的には思っています。

長野五輪組の先輩との再会などまだまだ書きたい小ネタもありますが、まずはこのへんで。

平昌五輪と時期がかぶってしまったけれど、

本当はこのカテゴリーもとっても面白いんだからっ!!!!!

将来のスマイルジャパン候補を誰よりも早く見つけたい!
自分だけの「アイドル選手」を見つけたい!
そんな方にはうってつけのカテゴリーですよ!

全日本女子アイスホッケー選手権(B)に出場した皆さん、

スタッフ・関係者の皆さん、運営の皆さん、
本当にお疲れ様でした。ありがとうございました!

そして・・・応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!!

(文章中敬称略)

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