スポーツの日によせて〜池上正さんと共に考える”コロナ禍における指導者の新たな役割とは”受講録〜

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19世紀のイギリス。

寄宿学校があって、寮があって。

イメージはまさにあの『ハリーポッター』の世界です。

 

そこでは寮対抗のゲームが行われていました。

それはとても野蛮なもので、

ゲームのたびにけが人がでた。

怪我ならまだしも、死人も出る。

背が高かったりちょっと体格がいい子は、

先輩からゲームに出ろと言われる。

「怪我をするような、野蛮なゲームには出たくない」

「嫌だ」

誘いを断ろうものなら、

今度はいじめが起こった。

ゲームに出るのも嫌だしいじめらるのも嫌だと、

自殺する者まで出てきたのです。

 

校長や先生たちは困っていた。

だから、ルールを作ったんです。

当時のイギリスは4つに分かれていましたから、

そのルールこそ国際ルールの起源です。

国や地域が違っても、変わらないルールを作った。

ルールを守って勝つことこそが素晴らしいこと。

ルールを守って戦うことは名誉なこと。

そう伝えていった。

 

ルールを作り、ルールを守ることで何が起きたかというと、

「じゃあ、どうしたら勝てるか?」と

ゲームをするための「練習」が行われるようになった。

 

けが人が出なくなり、

いじめがなくなり、

知恵をしぼり、

みんなで助け合うようになる。

 

これが近代スポーツの始まりと言われているんです。

 

そういったイギリスの話を聞きつけ、

視察に来た一人のフランス人。

このフランス人こそが、

近代オリンピックの父と呼ばれる

クーベルタン。

 

これは素晴らしい!と自国へ持ち帰り、

各国へ広めていこうとして、

(ここの流れはざっくり省略しますが)

開催されるようになったのがオリンピックです。

 

 

スポーツマンを日本語にすると、

どういう訳(やく)になるか知っていますか?

ちょっと調べてみてください。

 

(受講者)「スポーツの選手、スポーツを好んでする人」

 

はい、日本語ではそうです。

言葉は違えど、

同じ意味でしか出てきません。

 

でも、英英辞典で調べると、

そのような意味ではないんです。

 

出てくるのは、

グッドフェロー(よき仲間)と、

グッドルーザー(よき敗者)。

 

ドイツの社会人チームでのこと。

チームが勝った試合後に、

自分をマークしていた相手チームの選手が近寄ってきた。

なにごとかと思ったら、

「今日は素晴らしかった!

お前を止められなかったよ」

彼は握手を求めてきました。

「次は負けないからね」

そう言って、笑顔で帰っていったんです。

 

これが、グッドルーザーの姿です。

 

 

上記のお話は、

昨日23日に開催された

「サッカー界の育成のスペシャリスト

池上正さんとともに考える

 ”コロナ禍における指導者の新たな役割とは”」

(主催:アスリートスタンダード)

を受講して心に残ったお話の一部です。

 

 

私はグッドフェローだっただろうか。

グッドルーザーだっただろうか。

そして、この考え方を、

子どもたちに伝えていただろうか。。。

 

「ああああ」と叫びたくなる代わりに、

今日、ここに書いておきます。

 

 

2020年7月24日。

「スポーツの日」に。

 

 

 

 

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