「Athlete Zoo – beyond 2020 -vol.7『プロランナーから学ぶスポーツ哲学』」受講録

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プロになりたい。

 

プロでなくても、

どこかの企業に所属して、

「プレーすることが仕事」と言えるようになりたい。

 

そう思っていた時期があった。

 

オリンピックに行きたくて。

どうしてももう1回行ってみたくて。

 

女子アイスホッケーはプロがない。

実業団チームさえもない。

(もっと言うと国体種目でもない)

 

大学卒業後、東京で働いていた1年間は、

今思えば本当に良くしていただいたと思う。

 

学生から社会人まで幅広い年齢層の選手が所属するクラブチーム。

毎月月謝を払っていたとはいえ、

フルタイムで働いていたとはいえ、

遠征の時は勤務していた会社から「出張費」が出た。

 

「お金をいただいているんだから」

みっともないプレーはできないと思った。

 

東京から八戸に戻ってからは、

アルバイトをしながらプレーを続けた。

 

最初のバイト先は時給650円。

ボーナスも出張費もない。

 

それでも良かった。

アイスホッケーを続けられるなら。

 

地元から代表に選ばれるようになりたい。

八戸から代表に選ばれるような環境を作りたい。

当時の私には、大きな夢があった。

 

勤務先の社長さんや奥様はスポーツに理解のある方だった。

大会の時はお休みをいただけたし、

「頑張ってね」とも言ってもらえた。

 

1人で防具を担いで、

チェコに行ったこともあった。

それまでお会いしたことがないチェコ在住の方にメールを送ってお願いし、

とてもお世話になった。

 

アイスホッケーをしている娘さんと一緒に身につけた、

初めての海外チームのユニフォーム。

地元企業のロゴがたくさん付いていて、

当時の日本とはまるで違った。

 

「Ayumiならこっち(ヨーロッパ)でもやっていけるよ。」

日本人も参加したことのある、女子リーグ。

わずかながら、お給料が出ると聞いていた。

英語が話せるチームメイトからそう言われたが、

私は、地元八戸でプレーすることを選んだ。



もしあの頃、

「プロになりたいです」と、

声をあげていたらどうなっていただろう。

 

「プロになるにはどうすればいいですか?」と誰かに相談していたら、

どうなっていただろう。

 

でも、今思えば、

ほんと甘かったな、自分。

 

そういう思いがありつつも、

やっぱり他に楽しいことはたくさんある。

自分を律することができなった。

 

プロになるってどういうことか。

スポーツでお金をもらうってどういうことか。

全く考えていなかったし、わかっていなかったんだから。

 

それでも、

当時は当時で、できることをやったよねと、

自分を認めたい気持ちもある。

 

チームの活動費のために、寄付集めに奔走したこと。

20代の参加者なんてほとんどいない、

大先輩がいる八戸立教会で頭を下げて回り、

寄付金をいただいたこと。

先輩方が、「頑張ってね」と言って差し出してくれたあのお札。

今思い出しても泣いてしまう。

 

チームで有志を募って、

地元の施設でボランティアもした。

 

「地元のためにできることはなんだろう?」

「なぜ、八戸でプレーしたいんだろう?」

 

私ができることは、

私がしたかったことは、

 

地元のチームを強くして、

北海道や東京に行かなくても、代表に選ばれるようになること。

 

ジュニアの女の子たちが、

「中学生になっても続けたい」と思うこと。

親も「続けさせたい」と思うようなチームになること。

 

「女の子なのに」と思うことなくアイスホッケーを楽しみ、

自分らしく生きてほしい。

 

アイスホッケーに出会った私が、そうだったように。





振り返るきっかけとなったのは、

All Days Sportsさんが主催の「Athlete Zoo – beyond 2020 –」。



5月30日に行われた7回目のイベント(講座)で、

前々からその存在は知っていた。

「自分は3月に(現役選手に)区切りをつけたばかりだしなあ」と

どこか尻込みしていたのだが、

開催当日、知人のFBに投稿されているのを見てしまった。

どうしても気になる。

なぜか気になる。

「申込」をポチッと押して、駆け込み参加した。

 

ゲストは青山学院大学出身でプロランナーの川崎友輝選手。

テーマは、『プロランナーから学ぶスポーツ哲学』。

 

そう、あの箱根駅伝で活躍していた選手だ。

「毎年見てます見てます!」

私のミーハー根性がむくむくと動き出す。

 

大学時代の貴重なお話。

実業団をやめてプロとしてスタートしたお話。

アスリートのあり方、考え方。

これからのスポーツの未来。

 

うんうん、そうそうと当てはまることがたくさんあって頷くとき。

そうだったのか!と驚きで目を丸くするとき。

あっという間の3時間だった。

 

このイベントには

女子バレーボールU18代表監督の三枝大地さん、

デンマークから参加のニールセン北村朋子さんもゲストとして参加していて、

デンマークや海外での考え方、

違う競技ではどうか、ということも知ることができた。

 

参加者のみなさんも、

サッカー、セーリング、バドミントン、ハンドボールなど多種多様。

現役選手や指導者もいれば、保護者の方もいる。

まさに「Athlete Zoo」と思える講座だった。

 

zoomのブレイクアウトルームを利用して、

参加者同士が感想や考えをシェアする時間があったのだが、

「え、この人どこかで見たことある・・・」と思ったら

サッカー元日本代表の方だったり。

(現在はJリーグチームの監督さん)

同じグループではなかったけれど、

「え、あのお方がいらっしゃる・・・」

と、私にとってテンション上がる方(メンタルコーチ)がいたり。

「今日受けるよ〜」と連絡していないのに、

しつもんメンタルトレーニング仲間も同じく受講していたり。

 

駆け込みで参加してよかったと心から思う。

(満足度高すぎて、参加費安すぎじゃないですかと思うほどに)



 

気になったキーワードや内容はこちら。

・プロとして生きるということ
・デンマークのアスリート育成法
(ファンと一緒に試合を見る日がある!)
・私生活とグラウンド内でのパフォーマンスレベルは同じ
・1軍・2軍に分かれていても落ちないモチベーション・その環境作り
・監督と選手との距離感
・「楽しそうに練習してるよね」
・いい目標、悪い目標というのはない。自分のゴールをどこに設定するか。
・練習メニューの説明、なぜそれをするのか。
・人生という長い視点で選手のピークを考える
・指導者はナビゲーター
・目的の明確化
・スポーツで何を学ぶか?
・クリティカルシンキング
・これから川崎選手がしたいこと

 

たくさんあって書ききれない!

(いや、あなたライターなんだったらそこしっかり笑)

 

 

ああ、この日のお話を、あの頃の自分に聞かせたかったなあ。

 

なんなら今からでも「プロ」目指せるかなあ。



なんて思ってしまったけれど、

きっと女子アイスホッケーの後輩たちが、

これから道を切り開いてくれるでしょう。

 

「女子アイスホッケーでプロなんて」と言われた時代は、

きっともう終わり。

もうすでに、あの頃とは違って、

代表レベルになれば有名企業に就職だってできる。

 

就職できればいいということではない。

安定すればいいということでもない。

(もちろんそれも大事だけど)

 

どの立場の選手でも、

なぜそのスポーツをしているのかを考え、

自分はそのスポーツを通じて何ができるかを考え、

考え、考え、

そして、行動する。

 

地域のために。

未来の子どもたちのために。

 

それは、女子日本代表・スマイルジャパンの選手でも、

Aグループの選手でもBグループの選手でも、

どのレベルの選手でもできることだし、

必要なこと。

 

うん、きっと、そのうち、

プロ宣言する選手が出てきてもいい。

そういう選手が、1人でもいてほしい。

 

きっと、きっとね。

 

 

現役時代にお世話になった方に、

これからできる恩返しはなんだろう。

 

直接その人にお返しできなくても、

「恩送り」としてできることはなんだろう。

 

私の経験をこれからどうやって生かしていけばいいんだろう。

 

私は私で、

今できること、

これからしたいことを、

この充電期間で考えていきたいなと思う。





主催者の皆さん、

川崎選手はじめ参加者の皆さん、

貴重な機会をありがとうございました!!






スポーツを通じて、できることはなんですか?


スポーツを通じて、何を学びますか?

 

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