1月18日は全日本女子アイスホッケー選手権大会(B)の組み合わせ抽選の日でした。
大会に参加するチームにとってはほんとにもうね、ドキドキの日なんです。
なぜそんなにもドキドキするのか?
それはスマイルジャパンとも、全日本選手権(A)とも、スマイルリーグともまたひと味違う(B)ならではの過酷な戦いが待っているからなのです!
そもそも全日本選手権(B)の(B)って何?
はい、そうですよね。女子アイスホッケーを語る上で、まず簡単にご説明したいと思います。
日本の女子アイスホッケーにおいて全国レベルの大会といえば、
全日本選手権(A)・(B)
スマイルリーグ
の2つがあります。
私がよく例えに使うのはサッカーのJリーグです。
トップはJ1、J2、J3とありますね。
それと同じような感じで、全日本選手権は
J1=(A)は8チーム、
J2=(B)は16チームあります。
(A)は日本のトップレベルであり、1~8位までが大会で決まります。
(B)はその下に当たり、地区予選を勝ち抜いた16チームが集まって試合(トーナメント)を行いますが、はっきりと順位が決まるのは1~4位だけ。
つまり、そのシーズンにおいて1~12位までは目に見える形で決まる、ということです。
入れ替え戦なし!降格と昇格について
(A)で8位、つまり最下位だったチームは自動的に(B)に降格します。
(B)で優勝したチームは自動的に(A)へ昇格します。
Aに昇格できるのは優勝チームだけです!(これもまた厳しい!)
この2チームに入れ替え戦はありません。
なぜないか?・・・明確な答えは正直わかりません。
それがいいのか悪いのかは置いておいて、(A)と(B)に分かれてからずっとこうでした。
(分かれる前の歴史についてはまた改めて)
(A)と(B)の大会が終わってから、日を改めて入れ替え戦ということも
やろうと思えばできなくはないのでしょうが、交通費の負担(今のところ全額チーム負担=選手負担=学生は親の負担です)、学校や仕事との調整を考えると、特に社会人選手は
「もう有休もないし!これ以上休んだらクビだわ!」
という選手が多いことでしょう。
今のところ、開催する予定はありません。
(A)と(B)のレベルの差は?
日本代表であるスマイルジャパンの多くはやはり(A)に属しているチームから選出されています。
しかし、(B)に出場する帯広レディースからも1名(志賀葵選手)選出されていますし、
U18日本代表選手もいます。
さらにGK藤本菜那選手も今は(B)に出場するVORTEX SAPPORO所属です。
帯広レディースは昨季まで(A)でしたし、
VORTEX SAPPOROも(A)に昇格した時期があります。
札幌インフィニティーズには今シーズン、フルタイムシステム御影グレッズから移籍した元日本代表の武田莉奈選手がいます。
(そして、この3チームに勝ってAに残っているのが古巣・八戸レッズの後輩たちなんです)
Bに降格して、1年でAに昇格した例は過去に数えるくらいしかありません。
こうした事実からもおわかりの通り、
(B)にも日本代表レベルのプレーをする選手がいて、
(A)の下位と(B)の上位にはあまり差がない、と言えるのではないかと思います。
事実、(A)(B)関係なく対戦するスマイルリーグでは、BのチームがAのチームに勝つこともこれまで多々ありました。スマイルリーグのシステムはまた改めて。
*平昌五輪に出場する2選手が全日本選手権(B)に出るかは不明。ソチのときのスマイルジャパンは閉会式まで残っていたので、今回も最終日まで残るとすれば出場できないと思いますが、果たして??
(B)の5位以下でも手強いチームは存在する
はい、ここで大事なのは、たとえ5位以下であってもBの上位に食い込めそうなチームが毎年存在するということです。
ちなみに、昨年の全日本選手権(B)の結果をここで見てみましょう。
(クリックすると拡大します↓↓)
1回戦を見て、何か気付きませんか?
そうです、1点差や接戦の試合もあれば、
10点以上差が開く試合もあります。
特に初戦敗退したハセガワウイッチーズが良い例かもしれません。
実力的には2回戦に進んでいいチームでありながら、
毎年組み合わせに恵まれず、ここ数年初戦敗退が続いています。
「勝って結果を出さなければ実力があるとは言えない」世界ではありますし、
抽選で組み合わせが決まる以上仕方のないことなのですが、
決して弱いチームではない、と私は思っているんです。
負けたら終わり!厳しい戦いのトーナメント
「16チームも参加するのにトーナメントってどうなのよ?」と思うときもあります。
「せっかく全国から集まるんだから、たくさん試合(公式的に)したいのに!!」
と本当は叫びたい。(いや、もうこうして書いてるし)
初戦で敗退したチームは交流戦や練習試合が組まれることもあり、
1試合だけで帰るということはあまりありませんが、
やはりモチベーションが違います。
勝ち進むとダブルヘッダー(1日2試合)もあります。
朝試合をして、夜にまた1試合です。
これがまた体力的にも厳しい。
この「山」をどう戦うかが優勝へたどり着くためのポイントでもあります。
この「トーナメントよりリーグ戦」についてはまた別の機会に考えるとして、
今回は全日本選手権(B)のレベルも決して低くないことをお伝えしたかったのです。
「(B)にいることは、決して恥ずかしいことじゃない」
某チームの監督さんがそうおっしゃっていたことがありますが、
本当にそうだと思います。
Bにいるとどうしても、(A)に上がりたい、(A)に行かないとスポンサーもつかない、と思ってしまうのですが(実際わたしもそう思っていました)、
Aだから、Bだから、ではなく、
一人でも多くの方が応援に来てくださるようなチーム&女子アイスホッケー界作りをしていくことが大切だと私は思うのです。
「これがわたしたちのオリンピック」名古屋まであと1ヶ月!
2014年に八戸で行われた第18回全日本女子アイスホッケー選手権(B)では、地元八戸レッズから出場し、今思い出してもじーんと来る地元での優勝を経験しました。
4年前といえばソチ五輪。後輩たちには、
「これがわたしたちのオリンピックだよ」と伝えて臨みました。
あれから4年。
世間の注目は日本女子代表スマイルジャパンに向けられている平昌五輪ですが、(B)の選手たちにとってはこの名古屋での大会がまさにオリンピックと同じくらい大切なものです。
そして、決まった組み合わせはこちら!!
選手・関係者の皆さん、わたしたちのオリンピックを精一杯頑張りましょう!
皆さん、応援よろしくお願いいたします!
コメント
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